アラムコ、サウジアラビア王国初の量子コンピュータ導入に向けパスカルと契約

サウジアラビア

サウジアラビア、ダーラン、2024年5月20日/PRNewswire/ — 世界有数の総合エネルギー・化学企業であるアラムコは、パスカル社と契約を結び、サウジアラビア王国初の量子コンピュータを設置することを発表しました。この契約により、パスカルは200量子ビットの量子コンピュータを設置、保守、運用し、2025年後半に導入する予定です。

量子コンピュータ導入の背景と意義

アラムコのテクノロジー&イノベーション担当エグゼクティブバイスプレジデント、アフマド・アル・コワイター氏は、「急速に進化するデジタル環境において、新しい影響力のある技術がもたらす機会を捉えることが重要です。エネルギー分野で量子コンピューティングの利用を先駆的に進めることを目指しています」と述べています。今回の契約は、アラムコがデジタル経済の成長に貢献する一環として、量子コンピューティング技術を事業に取り入れる重要なステップです。

パスカル社の技術と展望

パスカル社のCEO兼共同創設者のジョルジュ=オリヴィエ・レイモンド氏は、「量子コンピューティングの時代が到来し、理論にとどまらず、現実世界のアプリケーションに移行しています」と語り、今回の契約により、サウジアラビアでの商業導入が加速されることを強調しました。パスカルは2019年の創業以来、顧客のユースケースに即した具体的な量子コンピューティングアルゴリズムの開発に注力しており、今回の契約でさらなる革新を追求します。

量子コンピュータの機能と展望

導入される量子コンピュータは、初期段階では「アナログモード」と呼ばれるアプローチを使用し、翌年以内に「アナログ-デジタルモード」にアップグレードされる予定です。このハイブリッドシステムにより、より強力で複雑な問題解決が可能になります。

アラムコとパスカルは、量子コンピュータを活用して新しいユースケースを特定し、サウジアラビア内に強力な量子研究拠点を確立することを目指しています。主要な学術機関との連携を通じて、量子アルゴリズム開発のブレークスルーを促進し、量子コンピューティングの真の可能性を解き放つことが期待されています。

これまでの取り組みと今後の展望

この協定は、パスカル社が2023年にサウジアラビアに事務所を設立し、2022年に両社間で量子コンピューティングの協力に関する覚書を締結したことに続くものです。2023年には、アラムコのWa’ed VenturesもパスカルのシリーズB資金調達ラウンドに参加しました。

アラムコについて

アラムコは、世界的な総合エネルギー・化学企業であり、エネルギーはチャンスであるという信念を持っています。世界の石油供給量の約8バレルに1バレルを生産するなど、リソースの信頼性、持続可能性、有用性を高めることに注力し、世界中で安定性と長期的な成長を促進しています。

PASQALについて

Pasqalは、規則正しい中性原子から量子プロセッサを構築する量子コンピューティングの大手企業です。2019年に設立され、顧客に実用的な量子の利点をもたらし、現実世界の問題に対処することを目指しています。

まとめ

今回のアラムコとパスカルの提携は、サウジアラビアにおける量子コンピューティングの導入を大きく前進させるものです。この協定により、サウジアラビアはデジタル経済の発展をさらに加速させ、エネルギー分野での量子技術の先駆者としての地位を確立することが期待されています。量子コンピュータの導入とその応用は、今後のビジネスと社会に新たなイノベーションの時代をもたらすでしょう。

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