サウディア航空と格安航空会社フライアディールを所有する国営グループは、エアバスの単通路機の生産が追いつかないため、エアバスおよびボーイングのワイドボディ機の発注を検討しています。
エアバスの単通路機の不足と需要の急増
サウディア・グループは、先月エアバスのナローボディ機105機を発注しましたが、実際には180機の需要がありました。この背景には、パンデミック後の航空旅行の急増と、それに伴うサプライチェーンの課題があります。エアバスは1月に、単通路ジェット機の生産枠が2029年まで埋まっていると発表しています。
ワイドボディ機へのシフト
サウディア・グループの通信・メディア担当ゼネラルマネージャー、アブドラ・アルシャフラニ氏は、ナローボディ機の生産枠が不足しているため、ワイドボディ機に目を向けざるを得なかったと語りました。同グループは、エアバスから105機の発注を受けることができたのは「幸運」だったが、さらに多くの機材が必要であるとし、ボーイング787とエアバスA330を検討していると述べました。
発注計画と今後の展望
ワイドボディ機の発注数はまだ協議中ですが、サウディア・グループは今年中に発注する予定です。フライアディールのCEOもワイドボディ機10~20機の発注を検討していることを明らかにしました。
サウジアラビアの野心的な航空計画
サウジアラビアは、経済の多様化を図るために、新しい航空会社や巨大な国際空港の建設など、野心的な航空計画を進めています。地域のライバルであるアラブ首長国連邦に対抗するためです。さらに、中国の航空機メーカーCOMACにも注目しており、現地生産施設の設置を検討しています。
アルシャフラニ氏によると、サウディア・グループは9月にCOMACの中国施設を訪問し、将来の発注に向けてジェット機をテストする予定ですが、発注に関してはまだ時期尚早と述べています。
インド市場の重要性
サウディア・グループにとってインドは重要な成長市場であり、直行便の増加、新たな目的地、機内設備の改善などで競合他社に奪われたシェアを取り戻す計画です。また、エア・インディアともコードシェア協定について交渉中であり、インドとサウジアラビアの乗客により多くの選択肢を提供するために協力を進めています。
まとめ
サウディア・グループは、単通路機の不足を背景に、エアバスとボーイングのワイドボディ機の発注を検討しています。これは、パンデミック後の航空旅行の急増とサプライチェーンの課題に対応するためです。また、サウジアラビアの野心的な航空計画とインド市場の成長も視野に入れた戦略的な動きが進んでいます。
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